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事業売却について:いきなりステーキの会社が、ペッパーランチを売却した件

事業売却の事例と紹介します。

株式会社ペッパーフードサービス(東証1部、3053)は、ペッパーランチ事業(2020年6月1日に新設分割して、株式会社JPが運営)を、投資ファンドのJ-STER が、85億円で買収します。2020/7/3(金)に発表ありました。

当初 100億円とか言われていましたが、正直、85億円でも高いと思います。

しかも102億円(+20%の上乗せオプションか?)までのアーンアウト条項っぽいのが付いていますが、これはIPOや出口の時でしょう。

2020年6月1日、主要仕入先かつ株主でもあるエスフーズの代表:村上真之助氏から現金20億円の借入をしており、目先の資金繰りはしていました。
そのエスフーズや、コメ卸の神明ホールディングスも、今回の買収に名乗り上げていたようですが、買収条件(価格)で負けたみたいですね。
やはり、事業会社が買収する場合は、ファイナス・レバレッジを効かせた買収スキームを用意できなければ、単に高い買い物になります。ゆえに、条件付けが難しいでしょう。
業務面だけの買収シナジーを考えれば、考えるほど、値段は付かないでしょうから。

売り手側(株式会社ペッパーフードサービス)から見ると:
なんとか、85億円のキャッシュが入ってくるので、現状の業績を勘案すあれば、御の字でしょう。
ただし、株式会社ペッパーフードサービスがこの先、安泰とは、まだ言い切れません。

さて、次は
買い手側からみると:

■ペッパーランチ事業、2019年12月期決算より:
売上高  87億8800万円
営業利益 12億2500万円
店舗数  189店舗(2020年5月末)

要するに、営業利益の約7倍での買収です。

ここに店舗の保証金・厨房機器・内外装などの資産が含みますが。もちろん、いきなりステーキと異なり、店舗営業が長い店舗もあり、昨対維持は可能なので、業績予測しやすいです。

買収スキームによりますが、譲受企業(PLHD株式会社、資本金2500万円?、25千円?)が買収資金を借入にしていると推測でき、J-STARにレバレッジ効果が早期に出ます。いわゆるLBO。

その後、譲受会社と対象会社が合併することになります。
ゆえに、負債の多い会社となることが、少しネック。

この手法は、クレアシオン・キャピタル株式会社や、Oakキャピタル株式会社が得意とするところか。
ねらいは、3年くらいの短期でIPOできれば、成功か。
ただ、業態が古い(1994年に1号店)ので、大爆発(更なる急成長、店舗増加)はしなさそう。

もしくは、J-STAR は、既に、短期で転売・売却先を持っているのか???

ちなみに、個人的にお勧めは、大戸屋と合併で、業態バッティングしにくいと、考えております。シナジーなんてなかなか発生しないですが。

参考記事: https://article.auone.jp/detail/1/3/6/162_6_r_20200703_1593759962317707

気になる方は、個別にお問い合わせください。

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