ディール概要
インスタグラムを中心としたソーシャルメディアマーケティング事業を展開するサイバー・バズ(東証グロース:7069)は、SNS・デジタルマーケター特化の転職支援サービスを手がける完全子会社の株式会社BuzzJob(東京都渋谷区)の全株式を、BuzzJob従業員の森重諒氏に譲渡することを決定した。譲渡価額は4,000万円、譲渡予定日は2026年8月31日。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 譲渡企業 | 株式会社サイバー・バズ(東証グロース:7069) |
| 対象企業 | 株式会社BuzzJob(東京都渋谷区) |
| 譲渡先 | 森重諒氏(BuzzJob従業員個人) |
| 譲渡株式比率 | 100%(全株式) |
| 譲渡価額 | 4,000万円 |
| 発表日 | 2026年8月13日 |
| 譲渡予定日 | 2026年8月31日 |
出典:M&A Online「サイバー・バズ<7069>、転職支援サービス子会社のBuzzJobを従業員に譲渡」(2026年8月13日)https://maonline.jp/news/20260813a / コトラ「サイバー・バズ、転職支援サービス子会社のBuzzJobを従業員に譲渡」https://ma.kotora.jp/archives/ma-news/ma-news-5740
対象企業プロフィール:株式会社BuzzJob
BuzzJobは2021年3月1日、サイバー・バズが新規事業としてHR領域へ進出するために100%出資で設立した子会社。資本金2,000万円、決算期は9月末日。設立当初の代表取締役社長は大野綾氏。SNSマーケティング・デジタルマーケティング人材に特化した転職エージェントサービスを主軸とし、2021年8月には転職エージェントサービスを開始、2023年12月には「採用SNSサポ」(採用や入社後のギャップ低減を意識したコンテンツ企画からクリエイティブ制作までを一気通貫でサポートするサービス)を提供開始するなど、単なる人材紹介にとどまらずSNS運用ノウハウと掛け合わせた採用支援へとサービスを拡張してきた。
なお、今回の株式取得価額(4,000万円)や、BuzzJob単体の詳細な財務数値(売上高・営業利益等)については、本稿執筆時点で確認できる開示資料には記載がなく非公表である。サイバー・バズの連結決算に占めるBuzzJobの構成比も個別には開示されていない。
出典:株式会社サイバー・バズ「サイバー・バズが新規事業としてHR領域に進出、子会社『株式会社BuzzJob』設立のお知らせ」(2021年3月1日)https://www.cyberbuzz.co.jp/2021/03/post-1291.html / 株式会社サイバー・バズ「沿革」https://www.cyberbuzz.co.jp/company/history.html
譲渡企業プロフィール:株式会社サイバー・バズ
サイバー・バズは東京都渋谷区に本社を置く、インスタグラムを中心としたソーシャルメディアマーケティング(SMM)事業を主力とする企業。ライブ配信プラットフォーム事業、HR事業なども展開しており、決算期は9月末。2024年5月に「継続企業の前提に関する注記」が付され、財務的に厳しい局面を経験したが、2025年5月にはこの注記の記載解消を適時開示している。
財務数値(2025年9月期実績)
サイバー・バズの2025年9月期は、通期予想を売上高83億1,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益3億円に上方修正して着地した(2025年8月13日付の通期修正時点の数値)。同時期の第3四半期累計売上高は前年同期比9.64%減の51億7,400万円だった。
出典:IRBANK「7069 サイバー・バズ|決算発表履歴(適時開示)」https://irbank.net/7069/pl
直近の業績動向(2026年9月期第2四半期累計、2025年10月〜2026年3月)
| 項目 | 前年同期比 |
|---|---|
| 連結経常利益 | 3.2倍の3億8,000万円 |
会社側は通期の経常利益予想を、従来の2億8,000万円から4億8,000万円へ70.9%上方修正し、前期(3億4,000万円)比41.6%増益、3期ぶりの過去最高益更新を見込む水準に引き上げた。直近3カ月(2026年1〜3月、第2四半期単独)の連結経常利益は前年同期比42倍に急拡大し、売上高営業利益率も前年同期の▲0.1%から10.2%へ大きく改善している。この業績回復の背景には、前期に発生した貸倒引当金の影響がなくなったことによるコスト減少や、SNS広告分野を中心とした主力SMM事業の底堅い推移がある。
出典:株探ニュース「サイバー・バズ【7069】、今期経常を一転42%増益に上方修正・3期ぶり最高益更新へ」(2026年5月14日発表分)https://kabutan.jp/news/?b=k202605140494 / 株式会社サイバー・バズ「2025年9月期第2四半期決算説明資料」https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20250514/20250514549859.pdf
譲渡価額4,000万円は、サイバー・バズの通期経常利益計画(4億8,000万円、2026年9月期)と比較すると小規模で、同社にとって財務的なインパクトは限定的な「事業整理」の色合いが強い取引と位置づけられる。
譲渡の狙い:事業ポートフォリオ最適化
サイバー・バズは今回のBuzzJob譲渡について、事業ポートフォリオ最適化の一環として、YouTube、X(旧Twitter)、TikTok、LINEなど各種SNS周辺領域でのマーケティング支援に経営資源を集中させることを目的として説明している。
同社は過去にも、2023年8月にネットマーケティング集客支援を手がける子会社スタイル・アーキテクトを、その代表取締役(綱島直輝氏)個人に譲渡した実績があり、非中核事業を経営陣・従業員個人へ譲渡する形でのポートフォリオ整理を、今回のBuzzJob案件を含めて少なくとも2回実施していることになる。サイバー・バズの近年の事業展開を見ると、2026年に入ってからはAI検索時代に対応する「AI-SEOコンサルティングサービス」の提供開始など、SNS×AIを軸にした新領域への展開に注力しており、HR領域という非中核事業の切り離しは、こうした選択と集中の一環と位置づけられる。
出典:M&A Online「サイバー・バズ<7069>、転職支援サービス子会社のBuzzJobを従業員に譲渡」https://maonline.jp/news/20260813a / 株式会社サイバー・バズ「沿革」https://www.cyberbuzz.co.jp/company/history.html / 株式会社サイバー・バズ「プレスリリース一覧」https://www.cyberbuzz.co.jp/information/press/
今後の展望
本稿執筆時点(2026年8月16日)で、本件は譲渡予定日(2026年8月31日)を待つ段階にある。譲渡完了後、BuzzJobはサイバー・バズの連結範囲から外れ、森重諒氏個人が経営するSNS特化型の独立系人材会社として新たな一歩を踏み出すことになる。
サイバー・バズにとっては、2026年9月期第2四半期時点で経常利益が前年同期比3.2倍と大幅な業績回復基調にある中での事業整理であり、非中核事業の切り離しによって主力のSMM事業やAI関連の新領域投資により経営資源を集中させる狙いが透けて見える。もっとも、譲渡価額4,000万円やBuzzJobの財務詳細が非公表であるため、この譲渡が連結決算にどの程度の影響(特別損益の計上等)を与えるかは、次回以降の決算開示を待つ必要がある。
主な参考情報源
- M&A Online「サイバー・バズ<7069>、転職支援サービス子会社のBuzzJobを従業員に譲渡」
https://maonline.jp/news/20260813a - コトラ「サイバー・バズ、転職支援サービス子会社のBuzzJobを従業員に譲渡」
https://ma.kotora.jp/archives/ma-news/ma-news-5740 - 株式会社サイバー・バズ「サイバー・バズが新規事業としてHR領域に進出、子会社『株式会社BuzzJob』設立のお知らせ」
https://www.cyberbuzz.co.jp/2021/03/post-1291.html - 株式会社サイバー・バズ「沿革」
https://www.cyberbuzz.co.jp/company/history.html - 株式会社サイバー・バズ「プレスリリース一覧」
https://www.cyberbuzz.co.jp/information/press/ - IRBANK「7069 サイバー・バズ|決算発表履歴(適時開示)」
https://irbank.net/7069/pl - 株探ニュース「サイバー・バズ【7069】、今期経常を一転42%増益に上方修正・3期ぶり最高益更新へ」
https://kabutan.jp/news/?b=k202605140494 - 株式会社サイバー・バズ「2025年9月期第2四半期決算説明資料」
https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20250514/20250514549859.pdf