GENDAの「連続M&A」は企業価値を何倍にするのか――2031年を予測する

公開日:2026年9月6日

M&Aには、2種類ある。

ひとつは、

「この会社を買いたい」

というM&A。

もうひとつは、

「M&Aを繰り返して、会社そのものを大きくする」

というM&Aです。

今回取り上げる株式会社GENDAは、明らかに後者です。

GENDAは2018年5月の創業以来、アミューズメント施設を中心にM&Aを繰り返してきました。

2026年8月時点で、GENDAは創業以来60件以上のM&Aを実施したと説明しています。

2026年1月期だけでもM&Aは26件。

その結果、2026年1月末の連結子会社数は45社となり、売上高は1,707億8,700万円、調整後EBITDAは228億3,900万円まで拡大しました。

そしてGENDAは、2040年に、

「世界一のエンターテイメント企業」

になることを目標に掲げています。

では、ここで問題です。


GENDAのM&Aは、5年後にどうなっているのか?

2026年9月から5年後。

2031年。

GENDAは、

  • 売上高
  • EBITDA
  • 店舗数
  • 海外売上
  • 企業価値
  • 時価総額

をどこまで拡大しているのでしょうか。

そして、もっと重要なのは、

「M&Aを繰り返すことによって、本当に1株当たりの企業価値は増えているのか?」

です。

Exiter.jpでは、今回から新シリーズ、

「このM&A、5年後どうなっている?」

をスタートします。

第1回はGENDAです。


1.まず、GENDAはどんな会社なのか?

GENDAは2018年5月設立。

現在の代表取締役社長CEOは片岡尚氏です。

東証グロース市場に上場しており、証券コードは9166です。

GENDA公式サイト

GENDAが現在展開する事業は、もはや「ゲームセンター」だけではありません。

会社自身は、

  • アミューズメント
  • カラオケ
  • ライフスタイル
  • ツーリズム
  • フード&ビバレッジ
  • キャラクター・マーチャンダイジング
  • コンテンツ&プロモーション

などを展開していると説明しています。

2026年8月時点では、

約1,100店舗

を運営。

さらに、

ミニロケ:約13,000箇所

を展開しています。

つまり、GENDAはすでに、

「ゲームセンター会社」から「エンターテインメント・プラットフォーム会社」へ変貌している

と考えた方が分かりやすいでしょう。


2.数字を見ると、GENDAの変化がよく分かる

GENDAの売上高を追ってみます。

決算期売上高前年比
2024年1月期556.97億円―
2025年1月期1,117.77億円+100.7%
2026年1月期1,707.87億円+52.7%
2027年1月期会社予想2,150.00億円+25.8%

出所:GENDA決算資料・決算短信。

わずか3年間で、

556.97億円 → 2,150億円

を目指しています。

約3.9倍です。

これがGENDAのM&A戦略の威力です。


3.しかし「売上が増えた=M&A成功」ではない

ここが今回の記事の核心です。

2026年1月期を見ると、

売上高:

1,707億8,700万円

営業利益:

76億9,500万円

調整後営業利益:

133億5,500万円

調整後EBITDA:

228億3,900万円

調整後当期純利益:

92億7,600万円

でした。

前年同期比では、

  • 売上高:+52.7%
  • 調整後EBITDA:+48.6%
  • 調整後営業利益:+27.3%
  • 調整後当期純利益:+53.5%

です。

一方で、営業利益は前年比2.7%減でした。

なぜでしょうか。

M&Aを大量に実施したからです。

2026年1月期のM&A関連費用は、

営業費用:17億4,100万円

営業外費用:2億5,800万円

合計:

19億9,900万円

でした。

さらに、のれん・無形資産の償却も利益を押し下げます。

つまり、

M&Aによって売上は急拡大しているが、会計上の利益は必ずしも同じ速度では増えていない。

ここがGENDAの最大の論点です。


4.2026年1月期だけで「26件」のM&A

GENDAの2026年1月期は、M&Aを考える上で非常に重要な1年でした。

M&A件数:

26件

新たに連結子会社となった会社:

15社

2026年1月末の連結子会社:

45社

です。

これだけのスピードで会社を買収すると、当然ながらPMIが問題になります。

「買うこと」よりも、

「買った会社をどう統合するか」

の方が難しくなるからです。


5.GENDA最大級のM&A「PLAYER ONE」

GENDAの連続M&Aを象徴する案件が、北米のPLAYER ONEです。

2025年4月9日、GENDAは、グループ会社Kiddletonを通じて、北米のPLAYER ONEの親会社Pixel Intermediate Holding Corporationの株式**100%**を取得すると発表しました。

PLAYER ONEが加わることで、

ゲームセンター104店舗

ミニロケ約2,000箇所

がGENDAグループに加わりました。

さらに2027年1月期の北米売上高は、

約3億米ドル

日本円換算で、

約440億円

規模になるとGENDAは試算しました。


6.PLAYER ONEの買収価格は約170億円

PLAYER ONEについてGENDAが開示したEV/EBITDAは、

8.5倍

でした。

GENDA自身も、国内の過去案件と比較して「相対的に高い」と認めています。

一方、GENDAは北米市場の成長率や、日本発IPを北米に展開するプラットフォームとしての戦略的価値を考えれば妥当と説明しています。

外部分析資料では、PLAYER ONEについて、

初期投資額:

約170億円

2025年売上計画:

180億円

2026年:

200億円

2027年:

210億円

2028年:

220億円

とする試算が示されています。

EBITDAについても、

2025年:

22億円

2026年:

28億円

2027年:

32億円

2028年:

35億円

という成長シナリオでした。

これは非常に重要な数字です。

なぜなら、GENDAのM&Aが、

「売上を買っているだけ」

なのか、

「EBITDAを買っている」

のかを判断できるからです。


7.しかしPLAYER ONEでは「M&A後の問題」も発生した

GENDAのM&Aを評価する上で、ここは絶対に避けてはいけません。

GENDA自身が2026年に公開したFAQによると、北米事業ではPLAYER ONEのオペレーションを他社に統一したことで問題が発生しました。

NENの約200人のラウンダーが、

  • 店舗巡回
  • 景品補充
  • 銀行入金

などに時間を取られ、景品補充のための巡回頻度が4割減少したと説明しています。

つまり、

買収そのものは成功しても、PMIで失敗する可能性がある。

これはGENDAだけではなく、すべてのM&Aに共通する重要なポイントです。

その後、GENDAは問題の原因を特定し、業務ルールを変更。

さらにAI業務アプリ「Kiddleton Force」を導入し、景品補充ルートなどの効率化を進めています。


8.GENDAは「買って終わり」ではない

GENDAの面白いところは、M&Aした会社同士をさらに統合していくことです。

例えば北米事業では、2024年以降、

  • NEN
  • PLAYER ONE
  • VENU+
  • Barberio
  • Newo

などを相次いで取り込みました。

そして2025年9月には北米事業を統括するGENDA Americasを設立。

北米の14社を3社に集約する方針を示しました。

これは典型的な、

ロールアップ型M&A

です。


9.さらにVENU+から約1,100拠点を取得

2025年6月11日、GENDAは米国VENUplusからミニロケ事業約1,100箇所を取得すると発表しました。

単純に考えれば、

NENのネットワーク

+

PLAYER ONE

+

VENU+

という形で、北米の設置拠点を急速に拡大できます。

ここにGENDAが持つ日本IPを投入する。

これがGENDAのM&A戦略です。


10.GENDAは「店舗」を買っているのではない

ここでGENDAのM&A戦略を一段深く考えてみます。

GENDAが買っているものは、

ゲームセンター

だけではありません。

実際には、

① 店舗

顧客が来る場所。

② 顧客

エンターテインメントを消費する人。

③ 商圏

店舗が存在する地域。

④ 景品販売網

キャラクター商品を売る場所。

⑤ IPの接点

アニメ・ゲーム・映画・キャラクターをファンに届ける場所。

⑥ データ

どの商品が、どの地域で、どれだけ売れるのか。

⑦ 海外ネットワーク

日本IPを海外に展開するためのインフラ。

です。

したがってGENDAのM&Aを単純な「売上高の買収」と考えると、本質を見誤ります。


11.2026年には「サンリオ」と提携

この戦略を象徴するのが2026年8月24日のサンリオとの業務提携です。

GENDAは2026年8月24日、サンリオとの業務提携を発表。

GENDAの国内外14,000箇所強のエンタメ・プラットフォームを活用して、サンリオキャラクターの限定景品を世界展開するとしています。

つまり、

M&Aで販売網を作る

↓

IP企業と提携する

↓

その販売網にIP商品を流す

というビジネスモデルです。

これは非常に面白い。


12.さらに「サイバーエージェント」とも提携

2026年8月26日には、サイバーエージェントとのパートナーシップ契約を発表しました。

内容は、

  • ポップアップイベント
  • キャンペーン
  • アニメIPの商品企画
  • マーチャンダイジング
  • 海外プロモーション

などです。

わずか2日間で、

8月24日:サンリオ

8月26日:サイバーエージェント

との提携。

GENDAが目指しているのは、

「ゲームセンターのロールアップ」

から、

「世界規模のエンタメ・プラットフォーム」

への進化だと考えられます。


13.2026年7月にはSBIとも資本業務提携

さらに2026年7月29日。

GENDAはSBIホールディングスとの資本業務提携を発表しました。

GENDAは2040年に「世界一のエンターテイメント企業」を目指しています。

そしてSBIは金融・投資・海外ネットワークを持つ企業です。

今後、

M&A資金調達

金融

海外展開

などでSBIとの関係がどう生きるのかも注目です。

GENDAの成長戦略が、

「M&Aだけ」

ではなく、

M&A+金融+IP+海外

へ広がっていることが分かります。


14.しかし、GENDAはM&Aを「厳選」し始めた

ここは今回の記事で非常に重要です。

GENDAは2026年7月31日、M&A件数が減少した理由について、

M&A対象を中核事業に限定し、非中核案件を選別する方針に転換した

と説明しました。

また、今後は株式発行に過度に依存せず、

フリーキャッシュフロー+借入

を活用してM&Aを継続する方針です。

さらに2026年8月18日には、創業以来のM&Aが60件以上に達したと説明。

取得だけでなく、非中核事業の売却も行い、資金と人員を中核事業に振り向ける方針を示しました。

これは非常に重要な変化です。


15.GENDAは「何でも買う会社」ではなくなった

初期のGENDA:

とにかくM&Aで規模を拡大する

↓

現在のGENDA:

中核事業に集中し、買収と売却を組み合わせて資本効率を高める

という方向に変わっています。

この変化を私は、

「M&A第2ステージ」

と考えます。


16.2027年1月期の会社予想

2026年3月12日に発表された2027年1月期の会社予想は、

指標2027年1月期予想前年比
売上高2,150億円+25.8%
調整後EBITDA300億円+31.3%
調整後当期純利益106億円+12.7%

です。

2026年6月10日の第1四半期決算では、

売上高:

497億200万円

前年同期比:

+45.0%

となりました。

一方、

営業利益:

2億8,800万円

前年同期比:

▲79.2%

親会社株主帰属四半期純利益:

▲7億5,200万円

でした。

この数字だけを見ると、

「M&Aで売上は増えたが、利益が付いてきていない」

ようにも見えます。

ただし、GENDAの場合、M&A関連費用やのれん償却などが大きいため、調整後EBITDAを見る必要があります。


17.現在のGENDAの企業価値は?

2026年9月4日のGENDA株価は、

735円

でした。

同日の時価総額は、

約1,384.6億円

です。

発行済株式数は、

1億8,837万8,582株

とされています。

2026年9月4日の株価推移を見ると、

始値:

731円

高値:

744円

安値:

718円

終値:

735円

出来高:

94万5,300株

でした。

ちなみに年初来高値は、

873円(2026年1月19日)

年初来安値は、

455円(2026年5月20日)

です。

つまり、GENDAの株価は2026年だけでもかなり大きく変動しています。


18.GENDAの現在の財務は「借入を使ってM&Aする」段階

GENDAはM&A資金のために借入も活用しています。

2026年1月期末では、

現金及び預金:

321.61億円

有利子負債:

約873億円

純資産:

651.81億円

でした。

GENDAは2026年4月時点で、

Net Debt / EBITDA=2.7倍

と説明。

3.0倍程度までの借入余力があるとしています。

これは、GENDAが今後もM&Aを続ける余力を持っていることを意味します。

しかし同時に、

借入金が増えれば金利負担も増える

ということです。

実際、2026年1月期の支払利息は前年の6億7,900万円から15億6,600万円へ増加しています。


19.ここからが本題――2031年を予測する

では、GENDAの5年後を予測します。

私は3つのシナリオを設定します。


【弱気シナリオ】

「M&A疲れ」シナリオ

M&Aは続く。

しかし、

  • PMIの遅れ
  • 海外事業の低収益
  • 金利負担
  • のれん償却
  • 人材不足
  • 株式希薄化

などによって利益成長が鈍化。

2031年の予測:

指標2027年予想2031年弱気
売上高2,150億円2,800億円
EBITDA300億円330億円
EBITDA率約14.0%約11.8%
時価総額約1,385億円約1,200~1,500億円

この場合、

売上は増えるが、企業価値はほとんど増えない

可能性があります。

これがGENDAにとって最大の失敗パターンです。


20.【標準シナリオ】

私はこれが最も可能性が高いと考えます。

M&A件数は以前より減少。

しかし、

  • 国内アミューズメント
  • カラオケ
  • 北米
  • キャラクターMD
  • IP
  • F&B
  • コンテンツ

を組み合わせることで、M&A後の収益性が改善。

2031年:

指標2027年予想2031年予測
売上高2,150億円3,800億円
EBITDA300億円550億円
EBITDA率14.0%14.5%
時価総額約1,385億円3,000~4,000億円

というシナリオです。

売上高は約1.77倍。

EBITDAは約1.83倍。

企業価値は約2.2~2.9倍。

これが私の「標準シナリオ」です。


21.【強気シナリオ】

そして、GENDAが本当に「世界一のエンターテイメント企業」を目指すなら、これもあり得ます。

条件は、

① 北米M&Aが成功

PLAYER ONE、NEN、VENU+などの統合が進む。

② 日本IPが海外でヒット

サンリオ、アニメ、映画、ゲームなどのIPをGENDAのネットワークに投入。

③ M&A対象の利益率が改善

単純な売上拡大ではなく、EBITDAを増やす。

④ M&Aの資金調達が改善

借入+FCF中心で、株式希薄化を抑える。

⑤ 非中核事業を売却

資本効率を上げる。

これが実現すると、

指標2027年予想2031年強気
売上高2,150億円4,500~5,000億円
EBITDA300億円700~800億円
EBITDA率14.0%約15~16%
時価総額約1,385億円4,500~6,000億円

も視野に入ります。


22.では、5年後の株価はいくらになるのか?

ここでは現在の発行済株式数、

約1億8,838万株

が大きく変わらないと仮定します。

これは重要な仮定です。

時価総額3,000億円

約:

1,592円/株

時価総額4,000億円

約:

2,123円/株

時価総額5,000億円

約:

2,654円/株

となります。

ただし、GENDAが今後M&Aのために増資を行えば、1株当たり価値は変わります。

したがって、

「企業価値が2倍になった=株価も2倍」

とは限りません。

ここはGENDAを評価する上で極めて重要です。


23.GENDA最大のリスクは「M&A依存」

GENDAの最大の強みはM&A。

しかし、同時に最大のリスクもM&Aです。

なぜなら、

M&Aを止めると成長率が下がる

可能性があるからです。

2026年1月期の売上高は、

1,117.77億円 → 1,707.87億円

へ増加。

しかし、その背景には26件のM&Aがあります。

つまり、

「既存事業が自然に52.7%成長した」

わけではありません。


24.だからGENDAは「M&Aなしでも成長できる会社」になれるか?

これが2031年に向けた最大のテーマです。

M&Aで、

100億円の会社を買う

↓

GENDAに統合

↓

シナジーで110億円

↓

翌年さらに買う

というだけでは、いつか限界が来ます。

重要なのは、

買収した企業が、買収後に自律的に成長すること。

さらに、

GENDAに買われたことで利益率が上昇すること。

ここまでできれば、M&Aは非常に強力です。


25.「M&Aの数」ではなく「M&AのROIC」を見るべき

今後、GENDAを見る際には、

「今年何社買った?」

という数字だけでは不十分です。

Exiter.jpでは、今後GENDAについて、

M&A投資額

↓

EBITDA増加額

↓

FCF増加額

↓

ROIC

を追いかけるべきだと考えます。

例えば、

100億円を投資。

↓

年間EBITDAが20億円増加。

なら、

単純なEBITDAベースでは、

20%

です。

逆に100億円を投資して、

EBITDAが5億円しか増えないなら、

5%

です。

この差が、5年後のGENDAを大きく変えます。


26.Exiterが注目する「5つのKPI」

今後5年間、GENDAを見るときには、この5つを追跡します。

KPI① M&A件数

2026年1月期:

26件

今後、何件になるか。


KPI② 売上高

2026年1月期:

1,707.9億円

2027年1月期予想:

2,150億円

2031年:

3,800億円前後を予測


KPI③ 調整後EBITDA

2026年1月期:

228.4億円

2027年1月期予想:

300億円

2031年:

550億円前後を予測


KPI④ Net Debt / EBITDA

現在:

2.7倍前後

これが3倍を大きく超えていけば、M&A資金調達に制約が出てくる可能性があります。


KPI⑤ 1株当たり価値

これが最も重要です。

M&Aによって会社が大きくなっても、

株式数が大きく増えてしまえば、既存株主の1株価値は増えない

からです。


27.Exiter独自評価――GENDAの「5年後成功確率」

ここで、今回のシリーズのルールに従って100点満点で評価します。

評価項目点数
M&A戦略の明確さ95
買収対象との戦略的相性92
売上成長力95
EBITDA成長力88
海外成長余地93
IPシナジー95
PMI能力78
財務余力75
M&A依存リスク65
株式希薄化リスク70
総合評価86点

28.Exiter予測――5年後のGENDA

私の予測はこうです。

2031年のGENDA

売上高:3,500~4,000億円

調整後EBITDA:500~600億円

時価総額:3,000~4,000億円

を標準シナリオとします。

現在の時価総額約1,385億円と比較すると、

約2.2~2.9倍

です。

ただし、これは株式投資の推奨ではなく、2026年9月6日時点の公開情報をもとにしたExiter独自の5年後シナリオです。


29.GENDAの5年後を決めるのは「次のM&A」ではない

意外かもしれません。

私は、GENDAの5年後を決めるのは、

「次にどの会社を買うか」

ではないと思います。

むしろ、

「今まで買った会社を、どれだけ儲かる会社に変えられるか」

です。

GENDA自身も2026年7月以降、

「M&Aを厳選する」

「中核事業に集中する」

「FCFと借入を活用する」

という方向へ戦略を修正しています。

これは、GENDAがM&Aの第1ステージから第2ステージへ移ったことを示しているのではないでしょうか。


30.「連続的な非連続な成長」は、本当に企業価値を生むのか?

GENDAは自らの成長戦略を、

「連続的な非連続な成長」

と表現しています。

確かに、

2024年1月期:

556.97億円

↓

2025年1月期:

1,117.77億円

↓

2026年1月期:

1,707.87億円

↓

2027年1月期予想:

2,150億円

という数字を見ると、まさに「非連続な成長」です。

しかし、M&Aの本当の勝負はここからです。


31.M&Aの成功とは何か?

M&Aの成功とは、

売上高が増えることではありません。

会社の規模が大きくなることでもありません。

本当の成功とは、

買収価格以上の企業価値を、買収後につくり出すこと。

です。

GENDAが100億円で会社を買ったなら、

5年後にその会社を含む企業価値が200億円増えているのか。

300億円増えているのか。

それとも、

買収費用・借入金利・PMIコスト・のれん減損などを考えると、ほとんど価値を生んでいないのか。

ここを追跡する必要があります。


32.だから「5年後」に答え合わせをする

今回の記事を、2031年にもう一度読み返してみたいと思います。

2026年9月6日。

Exiter予測:

GENDAは2031年に売上3,500~4,000億円

調整後EBITDA500~600億円

時価総額3,000~4,000億円

を目指せる。

という予測をしました。

果たして5年後、

この予測は当たっているでしょうか。


33.結論――GENDAは「M&A会社」から「M&Aを必要としない会社」になれるか

GENDAの最大の魅力は、

M&Aを実行する能力

です。

2018年創業。

60件以上のM&A。

2026年1月期だけで26件。

約1,100店舗。

ミニロケ約13,000箇所。

売上高1,707.9億円。

調整後EBITDA228.4億円。

2027年1月期予想は、

売上高2,150億円。

調整後EBITDA300億円。

ここまでは事実です。

しかし、2031年に向けて本当に問われるのは、

「あと何社買えるか?」

ではありません。

「買った会社の利益率をどこまで上げられるか?」

です。

そして、

「M&Aによって1株当たりの企業価値を増やせるか?」

です。

GENDAがこれを実現できれば、

「日本で最もM&Aが上手い会社」

から、

「M&Aによって世界規模の企業価値を作った会社」

へ進化する可能性があります。

逆に、M&A件数だけを追い続ければ、

「売上は大きくなったが、株主価値が思ったほど増えない会社」

になる可能性もあります。


Exiter予測

GENDAの5年後

成功確率:75%

2031年売上高:3,500~4,000億円

2031年調整後EBITDA:500~600億円

2031年時価総額:3,000~4,000億円

Exiter総合評価:86点/100点

最大の成功要因

「M&A後の利益率改善」

最大の失敗要因

「M&Aによる規模拡大が、1株当たり価値の増加につながらないこと」

5年間で最も注目すべき数字

M&A件数ではなく、M&A後のEBITDA増加額


主要出所・参考URL

GENDA公式IR

GENDAの決算資料、M&A戦略、財務情報については、まず公式IRを確認するのが基本です。

GENDA IR情報

GENDA IR プレゼンテーション資料集

2026年1月期通期決算

2026年1月期は売上高1,707億8,700万円、調整後EBITDA228億3,900万円、M&A26件、連結子会社45社などの実績を確認できます。

2026年1月期 決算短信

2027年1月期 第1四半期

2026年6月10日発表。第1四半期売上高497億200万円、前年同期比45.0%増。通期予想は売上高2,150億円、調整後EBITDA300億円、調整後当期純利益106億円。

2027年1月期 第1四半期決算資料

PLAYER ONE買収

2025年4月9日発表。100%取得、ゲームセンター104店舗、ミニロケ約2,000箇所、北米売上約440億円規模への拡大。

GENDA「PLAYER ONE」買収発表

PLAYER ONEのEV/EBITDA

GENDA自身が2025年4月30日にEV/EBITDA 8.5倍について説明しています。

GENDA「PLAYER ONEのEV/EBITDAマルチプルが割高である理由」

VENU+買収

2025年6月11日。米国VENUplusから約1,100箇所のミニロケ事業を取得。

GENDA「VENUplusからミニロケ1,100箇所譲受」

北米事業再編

2025年9月12日、北米14社を3社へ集約するGENDA Americasを設立。

GENDA「GENDA Americas」設立

SBIとの資本業務提携

2026年7月29日。GENDAは2040年に「世界一のエンターテイメント企業」を目指すことを明示。

GENDA「SBIホールディングスとの資本業務提携」

サンリオとの業務提携

2026年8月24日。GENDAの国内外14,000箇所強のプラットフォームを活用した限定景品などのグローバル展開。

GENDA「サンリオとの業務提携」

サイバーエージェントとの提携

2026年8月26日。日本発IPとGENDAの国内外店舗・施設を組み合わせたポップアップ、商品企画、プロモーションなどを検討。

GENDA「サイバーエージェントとのパートナーシップ」

M&A方針の変更

2026年7月31日、GENDAはM&A対象をコア事業へ絞り、FCFと借入を活用して選別的にM&Aを続ける方針を説明。

GENDA「M&Aパイプラインについて」

事業ポートフォリオ

2026年8月18日、GENDAは創業以来60件以上のM&Aを実施し、買収だけでなく非中核事業の売却も進める方針を説明。

GENDA「事業の集中と選択に関する考え方」

GENDA株価・時価総額

2026年9月4日終値735円、時価総額約1,384.6億円、発行済株式数1億8,837万8,582株。

Yahoo!ファイナンス GENDA(9166)


※本記事の5年後予測について

本記事の2031年の売上高、EBITDA、時価総額、成功確率は、GENDAが公表した会社予想ではありません。

2026年9月6日時点で公表されている業績、M&A実績、財務状況、M&A方針などを基礎に、Exiter.jpが独自に作成したシナリオ分析です。

実際の業績・株価・企業価値等は、M&A、為替、金利、景気、IPのヒット状況、PMI、資金調達、株式発行などによって大きく変動する可能性があります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です